ロルフィングの解説:ロルフィングの効果

この記事では、ロルフィングの効果について解説しています。ロルフィングが一般的に期待されている効果の紹介とその詳細、そしてその効果がどれほど持続するのか、また効果の出る頻度や回数についても説明しています。個人差のあることですので一般論でしか言えないのですが、私の経験談とクライアントさんの変化を見てきた中で分かってきたことを共有させていただきます。

目次

1. ロルフィングの効果とは

ロルフィングがいわゆる治療や整体とは違う、ということは前回の記事でお伝えしました(前回記事はこちら)。ですが、実際ロルフィングの効果とはどのようなものなのでしょうか?

ロルフィングの主な効果として代表的なものは下記になります。

  1. 姿勢の改善(猫背、反り腰、側湾症など)
  2. 慢性的な痛みの改善(肩こりや慢性腰痛など)
  3. 慢性疲労の軽減
  4. 柔軟性や可動域の改善
  5. パフォーマンス能力の向上
  6. 身体の感覚の向上
  7. 睡眠の質の改善

このような効果が期待されますが、ロルフィングの施術(セッション)で目指すことは「身体の構造を変えていくこと」です。もう少し詳しく説明すると、

「身体の部位が本来あるべき場所に戻る」

ということになります。

言い換えると、身体が一番理想とされるポジション、いわゆるゆがみが限りなく少ない状態になっていくことです。そうすると自然治癒力が働きやすくなり、筋肉や組織の過剰な張りを身体自ら減らそうとします。そして、全身を巡る血流が増えて疲労が抜けやすくなったり、お腹が緩んで内臓の調子が良くなりリラックスしやすくなったり、といった様々な効果が起きます。

その結果、上記のような効果が自然と現れてきます。身体が適切な位置関係にあれば、様々な身体の症状は自然と、そして自ら回復してくれるのです。

一つずつ解説をしていくと、

  • ①姿勢改善は、構造が整うこと、身体が本来あるべき位置に戻れば、猫背や反り腰なども変化してきます
  • ②、③慢性的な痛みや疲労は、構造や姿勢が整うと無駄な筋肉の張りや疲れは自然と減ってきます
  • ④柔軟性や可動域は、構造が整い無駄な緊張が抜ければ動く範囲は広がり、柔軟性は高くなります
  • 長年固い状態の足首やハムストリングスなどはある程度時間が掛かります
  • 構造が変わると身体への負担が変わり、柔軟性自体も変化していくことは十分可能です
  • ⑤パフォーマンス向上は、可動域が広がることで今まで働いていなかった筋肉が働き始め、余計に動いていた部分は休むことができるようになり、効率的に身体を動かすことができます。
  • 疲労が局所に溜まりにくくなったり、左右差が少ない状態がシーズン通して維持されていたり、といった実感をプロスポーツ選手にも感じてもらっています。
  • ⑥身体感覚向上ですが、ロルフィングのセッションでは、身体がどの位置にあるか、どう動いたか、などを感知するセンサー、固有感覚受容器に多く刺激が入ります。
  • 「筋膜」と言われる、筋肉を覆う軟部組織にそのセンサーが多く含まれており、ロルフィングでは筋膜を扱います。
  • 筋膜に多く刺激が入ると身体の感覚が上がり、ちょっとした違和感にも気づきやすくなり、怪我を未然に防ぎやすくなります
  • ⑦睡眠の質ですが、歪みのない状態になると身体の回復が促進され、自然と深い眠りになり、回復もとても早くなります

以上のように、構造が整うということは、とても多くの恩恵を与えてくれるわけです。では、その構造が整った状態がどれだけ維持されるのか?本当に元に戻らないのか?ということが気になるかと思います。それは下記の、「効果の持続」、「効果の出る回数、頻度」に書かせていただきます。

2. 効果の持続

ロルフィングの効果はとても興味深いです。なぜなら、セッションの最中や直後に感じる変化があるだけでなく、次のセッションに来るまでに身体が日々変化していくことが多いからです。つまり、セッションが終わった後も変化が続いていくのです。これはなぜかというと、セッションを通じて身体の部位の位置関係が変わり、身体に掛かる負担の場所が変わるのです。

当たり前ですが、前にあった首の位置が後ろに下がる、つまり背骨の上に乗るようになったら、首回りの筋肉は常に緊張する必要がなくなるので、張りが自然治癒していきます。すると、何もしていないのに生活しているだけで自然と不調がなくなっていくのです。

往年のロルファーも、

「セッション(施術)の最中に自分の指の下で起きる変化よりも、クライアントさんが日々の生活の中で体験する、セッションが終わってからの変化の方がダイナミックだ。」

と話していました。私自身も、セッション直後の状態から次回のセッション前にみる身体があまりにも変化していることに驚かされることが何回もありました。クライアントさんも実感されていたようで、

「なんだか前回終わってから今回こうして立ってみると、なんだか痛みが減っていたり身体の感覚が違っていたりして、とにかく不思議なんですよ…」

とお話しいただけたこともあり、このようなお言葉は本当にロルファー冥利に尽きます。ですので、ひとたびロルフィングを受けると、基本的には変わり続けてくれます。むしろ、セッションが終わった後に変化してくれることも多くあるのです

こういった持続的な効果が出てくると、基本的には元に戻る、いわゆる症状が常にある状態ではなくなります。それには、下記に述べるような回数と頻度が大きく手助けになります。

3.効果の出る回数、頻度

一度のセッションでもそれなりの変化が出るのがロルフィングの特徴ですが、上記のような継続的な身体の変化にはある程度の回数と頻度が必要になります。いくら一回のセッションで構造が整ったとはいえ、そこから日常に戻った時に以前のパターン(クセ、とも言えます)が出てきてしまうこともあるからです。

そのため、ロルフィングには10回のセッションで構成される10シリーズ(テンシリーズ)というものが存在しています。これは10回で一つの大きなセッションとなるように構成されていて、各回が独立したセッションでありながら、全てを連続して受けていただくとより効果が出てきます。この10シリーズはロルフィングの秘伝でもあり、他のボディワークや治療との大きな違いを生んでいる鍵でもあります。

この10シリーズにおいては、頻度としては1~2週間に1回が推奨されています。なぜなら、セッションの頻度が少なくて間隔が空くと、先のセッションで起きた変化が落ち着きすぎてしまい、以前からある身体のパターン、つまり構造が整っていない状態に戻ってしまう可能性が高くなってしまうのです。かといって間隔が詰まりすぎていると、セッション後の変化が起きる前に次のセッション日程になってしますので、近すぎても難しいです。

ですので、上記のようなオススメの、適切な頻度があります。なお、10シリーズをすでに受けたことのある方、もしくは単発のセッションを通じて継続的に身体をメンテナンスしたい方は、これに当たりません。詳しくは、次回のブログを参照ください。

4.まとめ:ロルフィングの効果

ロルフィングの効果は、構造の変化、つまり姿勢の改善によって多くの症状が自ら変化していくことが最大の特徴です。また、その変化も一時的なものではなく継続的なもので、セッションが終わった後にも大きな変化が起きてきます。そのような持続的な変化は、1~2週間から1度に受ける10シリーズが一番効率的になってきます。

次回のブログでは、セッションの回数についてもう少し詳しく書いていこうと思います。

リンクはこちらです。

ロルフィングの解説:ロルフィングの回数

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この記事を書いた人

日本語と英語を操るバイリンガルロルファー。東京出身ではありますが、神戸の風土と文化、そして人の雰囲気に親しみを感じ、2016年に移住してきました。六甲山を始めとした山々と海の自然に囲まれ、お洒落なお店が立ち並ぶ神戸三宮での日常を楽しんでいます。

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