ロルフィングの解説:ロルフィングの回数

この記事では、ロルフィングを受けるにあたってどのような種類があるのか、そして何回受ければいいのか、ということを書いています。ロルフィングのセッションを受けるにあたり、どれだけの回数受けなければならないのか?10回受けなければいけないの?という疑問をお持ちの方があるかいらっしゃいますので、そういった方々の参考になれば幸いです。

目次

1. 10シリーズ(全10回)

ロルフィングには、基本として10回のセッションで構成される10シリーズがあります。この10シリーズは、ロルファーの教育ツールとして創始者のアイダ・ロルフ博士が考案されたものです。それと同時に、身体の仕組みに沿った順番、内容、そして人が身体で理解できるような内容になっています。「10回のセッション全体で一つのセッション」、とも言われています。

ロルフィングの本質は、「構造を整え、統合させていく」というものです。それはつまり、「からだの姿勢を整え、常に重力から良い影響を受けられるようなからだにしていく」ということです。姿勢を整えるためには、まず骨格、骨の位置関係を調整しないといけません。骨の位置関係は、筋膜によって決められていることが分かってきており、全身に張り巡らされている筋膜にアプローチしていきます。筋膜はからだの左右、上下、そして内側と外側のバランスを保ってくれており、「特に内側と外側のバランスが取れていないことで問題を起こすことが多い」です。

そのため、「10シリーズでは1〜3回目のセッションでからだの外側を、4〜7回目でからだの内側にアプローチし、8〜10回目で内側と外側のバランスを取っていく」のです。そのプロセスを通じて、からだの姿勢が変化したり、慢性的な張りや痛みが引いたり、不調が気づいたら無くなっている、といいったお声が聞けています。10回の回数と時間をかけることでからだに馴染んでいき、より永続的な変化が期待できるでしょう。

ですが、これはなかなか理解が簡単ではなく、一般的には言葉で伝わりにくいものになっています。

ですので、クライアントさんはこの10シリーズを受けていくことを通じて、身体はどうなっているのか、どうありたいのか、といったことを身体で学んでいきます。それを経て、「身体の中の構造が少しずつ輪郭を帯びてきて、統合されていく感覚を感じていける」のです。この感覚は、言葉ではうまく言い表せないもので、受けた人にしか分からない感覚です。ですが、人類共通して感じてもらえる、素晴らしい感覚であることは間違いないでしょう。

ロルフィングの第一法則として知られている引用があります。

“If it’s anywhere in the body, it’s everywhere in the body.”

「身体のある部分に何かがあったら、それは身体全部にもあるということなのです。」

ーニコラス・フレンチ アドバンストロルファー

これは、「身体の一部分に何か問題があったとしても、そこだけで起きているわけではなく、身体全体にも影響が及んでいる」、ということを意味しています。これは10シリーズを受ける上で、とても大事な考え方です。腰が痛いということは、他の部分が構造的に弱っていたり、もしくは筋力が足りなかったりする結果、腰が余計に働いて症状を起こしてしまう、と考えることができるのです。

10シリーズでは、頭の上や首から、つま先まで、身体全体を10回のセッションの中で満遍なくアプローチしていきます。そうすると、他の部位に影響を及ぼしている根元の改善をきっかけにして、本来の悩みだった症状が快方に向かっていくことができるのです。「からだを一番効率よく変化させていくことができる手法」として、10シリーズをお考えいただければと思います。(詳しい10シリーズの内容は、次回のブログに記載予定です。)

2. 単発(メンテナンス)セッション

単発セッションは、「メンテナンスとして身体を向上させたい、いい状態を保ちたい」、という方々に受けていただいています。また、10シリーズをすでに終えた方にも受けていただいています。

10シリーズとの大きな違いは、毎回テーマが決まっている10シリーズに対して、「単発セッションは1回完結で、その時々に必要なことをクライアントさんからお聞きし、オーダーメイドでセッションを構成していく」、ということです。首が気になる、という要望でしたら、その首と関係しているであろう肩や頭部、はたまた背骨との関係性を見ていきます。もしくは、「特に気になることはないので、お任せで!」といった形で、ロルファーがその時に気になることを大事にしながらセッションを進めていくこともできます。

またその内容は、「ロルフィング、ソースポイント、IMAC」の3つを組み合わせた形になります。ロルフィングは上記に書いてあるように、「からだの姿勢が常に整っている状態」を目指した施術になります。そしてソースポイントは、エネルギーの観点からからだのバランスを整えます。そしてIMAC(アイマック)は、からだの可動域を基準として制限のある場所に関係する筋肉や内臓、筋膜などの組織にアプローチし、からだが理想的な健康状態に戻っていくことを手助けしていきます。

いずれの方法もそれぞれ特徴があるのですが、クライアントさんの状況に合わせてそれぞれのバランスを見極めながらセッションをしています。もちろん、ソースポイントのみで、IMACのみで、といったご要望にもお応えできますので、ご希望のある方はセッションの際にお伝えください。

1回で完結にはなりますが、気になった症状があるケースでは1〜3回、もしくは状態が落ち着くまでセッションを重ねていきます。定期的に身体を見てもらいたい方は、3週間〜1ヶ月に一度の頻度で来ている方もいますし、数ヶ月に一度来ている方もいらっしゃいます。クライアントさんの希望やペースに合わせてセッションさせていただいています。

3.10シリーズ+メンテナンス

一番多いパターンは、10シリーズを受けてからメンテナンスを活用するというケースです。個人的にもこの方法はオススメだと思っています。

理由は、「10シリーズを受けていただくと身体のベースができているので、ちょっとした不調も身体が自ら治っていくか、もしくは最小限のメンテナンスセッションで改善することができる」からです。身体の全身を一度はアプローチしていることで、身体がいい状態を記憶してくれているのでしょう。

10シリーズを終えた後も引き続き身体をメンテナンスされている方は、身体が健康で理想的な状態に慣れているため、違和感や嫌な感覚に敏感になります。その状態であるとセッションでの変化も大きくなるため、大ごとになる前に身体の状態を改善することができるのです。

4.まとめ:ロルフィングの回数

10シリーズがお勧めである対象者は、「肩こりや腰痛など、からだの慢性的な痛みや不調に悩まされている方」です。慢性的に症状がある人の多くは、姿勢が整っていないことが多いです。いくら施術や治療で症状自体は一時的に良くなったとしても、同じ症状を繰り返してしまう方は、そもそも症状を生み出してしまう骨格や姿勢になっている可能性が高いのです。そのため、10シリーズを通じて全身をリセットすることによって、自分の姿勢やからだが変わっていくことを実感し、症状や痛みで常に不調があった状態から抜け出していけるでしょう。

単発セッションがお勧めな対象者は、「症状の改善や状態の変化を優先させたい方」です。ご自身がご納得されるセッションの種類、回数をお選びください。

どちらがいいか分からない、でも身体を根本から整えたい方は「まず10回の10シリーズを受けてみる」といいでしょう。ご自身の身体を一から分解するようなプロセスでもあるので、ぜひ一度体験してみてください。受けてみないと分からない、ご自身の身体の発見もあり、とても素敵な体験になると思います。

その後、さらに身体を良くしたい、より動きやすくありたいなどのご希望をお持ちの方は、メンテナンスセッションをご活用いただいています。

次回のブログでは、ロルフィングの根幹である、10シリーズの中身について詳しく書いていきます。ロルフィングの醍醐味が詰まっています。

リンクはこちらからどうぞ。

ロルフィングの解説:10シリーズ①

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この記事を書いた人

日本語と英語を操るバイリンガルロルファー。東京出身ではありますが、神戸の風土と文化、そして人の雰囲気に親しみを感じ、2016年に移住してきました。六甲山を始めとした山々と海の自然に囲まれ、お洒落なお店が立ち並ぶ神戸三宮での日常を楽しんでいます。

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